こんにちは。柔道整復師・鍼灸師のてつ先生です。

この記事では、柔道整復師・鍼灸師の立場から、マッサージガンについて行われた研究をもとに、
- マッサージガンとは何なのか
- なぜ筋肉が楽に感じるのか
- 本当に筋肉は柔らかくなるのか
- 体の動かしやすさに変化はあるのか
- 血流には影響するのか
- 運動後の疲労や筋肉痛にはどうなのか
- どのくらい使えばいいのか
について、できるだけ難しい言葉を使わずに解説します。
「マッサージガンって本当に筋肉をほぐせるの?」
「なぜ振動するだけで体が軽くなるの?」
「運動後の疲れや、肩・腰・脚の張りにも使えるの?」
最近では、自宅で手軽に使えるマッサージガンが人気になっています。
実際に使ってみると、「筋肉が柔らかくなった」「体が軽くなった」「動かしやすくなった」と感じる人も多いでしょう。
では、マッサージガンを使うと、体の中では何が起こっているのでしょうか?
マッサージガンとは?

マッサージガンは、先端部分が高速で細かく動くことで、筋肉などに振動を与えるセルフケア用品です。
手で揉んだり押したりする代わりに、機械が一定のリズムで筋肉に刺激を加えてくれます。
商品によって、
- 振動の強さ
- 振動する速さ
- 先端部分の形
- 本体の大きさや重さ
などが異なります。
では、なぜマッサージガンを使うと「筋肉がほぐれた」と感じるのでしょうか?
マッサージガンで筋肉がほぐれるのはなぜ?
実は、単純に「硬い筋肉を叩いて柔らかくしている」というだけではありません。
マッサージガンによる振動が筋肉やその周りの組織に伝わることで、体の動きや筋肉の張り、痛みの感じ方などに変化が起こると考えられています。
簡単にいうと、

というイメージです。
では、実際の研究ではどのような変化が確認されているのでしょうか?
筋肉やその周りの組織の硬さが変化する
マッサージガンを使うと、「筋肉が柔らかくなった」と感じることがあります。
実際に、マッサージガンを使用した後に、筋肉やその周辺の組織の硬さが変化したことを確認した研究があります。
例えば、ふくらはぎに5分間マッサージガンを使用した研究では、足首を反らせる動きが約3度大きくなりました。
一方で、筋肉そのものには大きな変化が見られず、筋肉を包んでいる「筋膜」という組織の硬さに変化が確認されています。
つまり、
マッサージガンは筋肉そのものだけを直接柔らかくするというより、筋肉やその周りの組織に刺激を与えることで、体を動かしやすくしている可能性があります。
ということです。

体を動かせる範囲が広くなる可能性がある
マッサージガンの研究では、使用した後に関節を動かせる範囲が広くなることも確認されています。
例えば、太ももの裏にマッサージガンを使用した研究では、使用後に脚を動かせる範囲が広くなり、組織の硬さも低下しました。
また、複数の研究をまとめたレビューでも、マッサージガンによって短時間の柔軟性や関節の動かしやすさが改善する可能性が報告されています。
そのため、
- 体が硬く感じる
- 運動前に体を動かしやすくしたい
- 運動後に筋肉が張っている
- 長時間同じ姿勢をとった後に体をほぐしたい
といった場面で、セルフケアの一つとして利用できます。

使用した場所の血流が増える可能性がある
マッサージガンを使った場所が、温かく感じることがあります。
これには、血液の流れが関係している可能性があります。
実際に、マッサージガンによる振動を筋肉に加えた研究では、使用した場所の血流が一時的に増加することが確認されています。
ただし、
「血流が増える=疲労が完全に取れる」
ということではありません。
血流の変化は、マッサージガンを使ったときに起こる変化の一つと考えるのが適切です。
運動後の筋肉の張りや疲労にも使われている
マッサージガンは、運動後のセルフケアとしても研究されています。
運動によって筋肉に負担をかけた後にマッサージガンを使用することで、筋肉の張りや硬さが強くなるのを抑えたり、筋力の回復に良い影響が出たりする可能性が報告されています。
また、複数の研究をまとめたレビューでは、マッサージガンを使用することで、運動後の痛みや筋肉痛などが軽減する可能性も報告されています。
そのため、
- 筋トレ後
- スポーツ後
- 長時間歩いた後
- 仕事などで体を使った後
のセルフケアとして取り入れるのもよいでしょう。
「筋肉がほぐれた」と感じる理由は一つではない
ここまで紹介した研究を見ると、
「マッサージガンで筋肉を直接揉みほぐしている」
と考えるよりも、
筋肉やその周りの組織に刺激を与える
体を動かせる範囲が一時的に広がる
血流が変化する
筋肉の張りや痛みの感じ方が変化する
といった複数の変化が組み合わさって、
「体が軽くなった」「筋肉がほぐれた」
と感じている可能性があります。
つまり、マッサージガンは「硬い筋肉を力ずくで揉みほぐす機械」と考えるより、
筋肉やその周りに振動刺激を与えて、体を動かしやすい状態にするためのセルフケア用品
と考えると分かりやすいでしょう。
マッサージガンはどのくらい使えばいい?
ここは気になるところですよね。
結論からいうと、「○分使えば必ず効果が出る」という明確な答えはまだありません。
研究によって使用する時間や強さが違うためです。
そのため、自宅で使用する場合は、まず短時間から始めるのがおすすめです。
基本は「1か所30秒以内」を目安に
初めて使う場合は、
1か所につき10〜30秒程度
を目安にしてみましょう。
例えば、
- 太もも
- ふくらはぎ
- お尻
- 背中
など、気になる筋肉を順番に刺激します。
1か所にずっと当て続ける必要はありません。
使い方のポイント
①最初は弱い刺激から
いきなり一番強い設定にする必要はありません。
「気持ちいい」と感じる程度から始めましょう。
② 同じ場所に押し当て続けない
マッサージガンをゆっくり動かしながら、筋肉全体に刺激を与えます。
③ 痛いほど強く押さない
「痛い=よく効いている」ではありません。
痛みが強くなる場合は、刺激を弱くするか使用を中止しましょう。
④ まずは合計5〜10分程度でも十分
全身を一度に長時間行う必要はありません。
気になる部分を数か所、短時間ずつ使うところから始めてみましょう。
マッサージガンを使ってはいけない場所は?
マッサージガンは便利なセルフケア用品ですが、どこにでも強く当てていいわけではありません。
特に、
- 骨に直接強く当てる
- 関節に直接強く当てる
- 首の前側に強く当てる
- 強い痛みがある場所に無理に当てる
- 腫れている場所に使用する
- ケガをした直後に自己判断で使用する
といった使い方は避けましょう。
また、強い痛み、しびれ、腫れなどがある場合は、マッサージガンだけで様子を見るのではなく、医療機関などに相談してください。
マッサージガンは結局おすすめ?
ここまでの研究を見ると、マッサージガンには、
- 筋肉やその周りの組織の硬さを一時的に変化させる
- 関節を動かせる範囲を広げる
- 柔軟性を高める
- 使用した場所の血流を一時的に増やす
- 運動後の筋肉の張りを軽減する
- 筋肉痛などの痛みを楽にする可能性がある
といった効果が期待されています。
一方で、
「マッサージガンを使えば筋肉の硬さや痛みが根本的に治る」
とまでは、現在の研究からは言えません。
あくまで、
筋肉の張りや体の動かしにくさを一時的に楽にするためのセルフケア用品
として考えるのがおすすめです。
まとめ
マッサージガンは、単純に「筋肉を強く叩いて柔らかくする」ものではありません。
筋肉やその周りの組織に振動刺激を与えることで、
筋肉や周囲の組織の硬さ
体を動かせる範囲
血流
筋肉の張りや痛みの感じ方
などに変化が起こる可能性があります。
特に、使用後の柔軟性や関節の動かしやすさについては、複数の研究で改善が確認されています。
ただし、研究によって使用する時間や強さが異なるため、「強ければ強いほど良い」「長く使うほど効果が高い」とは言えません。
まずは、
1か所10〜30秒程度
弱めの刺激から
痛くない範囲で
を目安に使ってみるとよいでしょう。
マッサージガンは、肩・腰・脚などの筋肉の張りが気になるときや、運動前後のセルフケアなど、さまざまな場面で活用できる便利なアイテムです。
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